■原料
プレミアムテキーラはアガベというリュウゼツラン科の植物を原料として作られます。中南米には約200種類のアガベが生息していますが、プレミアムテキーラの原料となるアガベは「アガベ・アスール」(学名:agave tequilana weber variedad azul)という1種類のみです。
アガベ・アスールは「イフエロス」という子株から育てられます。
植えてからプレミアムテキーラの原料として収穫されるまでは、短くて6年、長いと10年以上になります。
収穫は「ヒマドール」と呼ばれる職人が1つずつ行います。収穫されたアガベの球茎部分を「ピニャ」と呼びます。
■蒸焼(Cooking)
収穫されたピニャを蒸留所に持ってきて最初に行うことはピニャを半分または1/4にカットすることです。
次に蒸焼をしますが、その際に用いる設備は蒸留所によって異なります。
「マンポステラ」
1つはマンポステラと呼ばれるレンガ製のオーブンです。伝統的な設備で、蒸気で蒸して冷すまでの工程は2~3日掛かります。
「アウトクラベ」
マンポステラと比べると新しい設備で圧力釜です。蒸焼に掛かる時間はマンポステラよりも短く、1日程度です。
■搾汁
蒸し上げたアガベから糖分を搾りだします。「シュレッダー」と「タオナ」という設備が一般的です。搾りかすのことを「バガス」と呼びます。
「シュレッダー」
ベルトコンベアーにアガベを載せて加水しながら、裁断して搾汁していきます。蒸留所によって搾る回数が異なります。
「タオナ」
石臼です。伝統的な搾汁方法ですが、使っている蒸留所は少数。
■発酵
搾汁した糖液をタンクに移し、酵母を加えてアルコールに変えます。固有の酵母を使っている蒸留所もあれば、自然発酵させている蒸留所もあります。また、発酵中に音楽を流している蒸留所もあります。
■蒸留
テキーラは2回以上蒸留しなければなりません。使用される蒸留器には「単式蒸留器」と「連続式蒸留器」があります。
「単式蒸留器」
一般的なものや特殊なものなど蒸留所ごとに工夫をしています。
「連続式蒸留器」
25m程度の高さがあります。
■熟成
主に樽で熟成させます。樽の材質は色々ありますが、アメリカンオークが多く、ウィスキーなどの熟成で使った中古樽を使ったり、新樽を使ったりします。